柔道場、剣道場に行きますと、練習を見ている時必ず背筋を伸ばした正座姿勢
をとっていることに気づきます。
正座をしているときの足の状態を考察してみましょう。
正座している時、太腿の大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広
筋)は引っ張られ、ストレッチと同様の効果があります。
即ち、
1 自然なストレッチが疲労した筋肉の牽引を行っています。
2 筋肉の間にたまった老廃物を排出させ、疲労を回復させます。
3 筋肉の疲労による硬直を防いで、筋肉の柔軟さを取り戻します。
この結果、筋肉以外の下肢全体の疲労硬直を防いでくれています。ここで下
肢全体というのは大腿四頭筋のみならず正座位では大腿裏側の大腿二頭筋(ハ
ムストリング)と腓腹筋が押し合う形で横方向のストレッチ効果もあるという
意味です。
大腿四頭筋のうち大腿直筋は骨盤から始まっていますし、他の3つは大腿骨
を起点としています。骨盤・大腿骨という身体の軸を安定させ、必要な姿勢を
キープして走ったりジャンプしたりという激しい動きを支える筋肉の疲労回復
を早める意味は大きいです。
一方膝の故障が発生しやすいスポーツでは練習の合間に正座はしていません。
足を投げ出したり、椅子に腰かけたり、体育座りをしています。
この姿勢では、ただ身体を休めているだけで疲れた身体の組織の疲労回復効果は上がって
いません。
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