女性の人種

子供たちの

膝の故障

背景にある

問題点は? 

整形外科でオスグッドや半月板損傷などと診断されてくる子供たちと接していますと、いくつかの共通項が浮かび上がってきます。


まず気になるのが子供の身体に起きている変化です。

 

身体の変化は運動能力の変化にも表れてきます。


文部科学省が発表した2018度の体力運動能力調査を見ていますと、走る、跳ぶ能力は、ほぼ横ばいですが、握力,立ち幅とび,ボール投げなどでは,1989年(平成元年)度の数値と比較して約10%の低下が見られます。


1998年頃に一旦下げ止まり,あるいは上昇傾向にありましたが,多くのテスト項目が1989年度と比べると未だ低い水準にあります。

 

そして、気になるのは子供の骨折です。


「学校の管理下の災害 -基本統計-」(独立行政法人日本スポーツ振興センター)を見ていますと驚く数字と出会います。

 

骨折が25年前と比べると約1・4倍、40年前と比べるとなんと2倍になっています。


子供の姿勢教育の講演会に講師として招かれる時、現場の先生方からいろいろな子供の変化についてのお話を聞きます。


⦿和式トイレが使えない、即ちしゃがもうとすると後ろにひっくり返る。


⦿走っていて転ぶとき顔をケガする子がいる。即ち、転ぶときとっさに手をついて身体を守れない。


⦿飛んできたボールが顔に当たる。即ち危険回避の動物的な防御反応が落ちている。


更に、幼稚園から高校までの教職員が実感する子供の問題ワースト点10(別表1)にはこれだけの変化が表れています。

※この調査は1978年に始まっている。NHK特集「警告!!子供のからだは蝕まれている!」の制作に当たり、日本体育大学体育研究所に相談があったのがきっかけとなり始まったものである。
以来50年間、日本体育大学体育研究所によって5年に一度計10回行われている。
このデータは2015年度の調査結果である。
※特徴的なのは体幹の歪み・捻じれが関係していると推測できるものが多いことである。こうした背景があってのことである。日常生活の見直しと正しい姿勢の習慣化が望まれる。

の故障と、やっているスポーツの驚く関係

何が原因で膝が痛いという結果が出てくるのか、この現象を解決するのにはどういうことに気を付けた方がいいのか。

 

こうした根底にある問題を抜きにして膝の施術をしても根本解決にはなりません。

再発したり、他の障害となって現れたりします。


実際にオスグッドや半月板損傷などひざを痛めて来院する子供たちと接し、過去のカルテを詳細にデータ化していきますと、ちょっと信じられない統計的事実が浮かび上がってきます。

ひざの故障で来る子供たちがしているスポーツの種類です。

 

結論から言えば

1. 野球、サッカー、バレー、バスケ、卓球等々をしている子供たちに膝の故障は多く発生しています。
 

 

 

 

 

 

 

 

2 .柔道や剣道、空手などをしている子供たちが膝の故障で来ることは少ないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

一体なぜでしょうか?何が違うのでしょうか。


これはスポーツの種類というより休憩中の姿勢の問題といった方がいいかもしれません。


膝の故障が発生しにくい運動をしている②のグループは見学や練習の合間には正座をしています。

 

一方膝の故障が多く発生する①のグループは正座習慣がありません。

座習慣が膝を守る。

正座は最高のストレッチ!?

柔道場、剣道場に行きますと、練習を見ている時必ず背筋を伸ばした正座姿勢をとっていることに気づきます。


正座をしているときの足の状態を考察してみましょう。


正座している時、太腿の大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋)は引っ張られ、ストレッチと同様の効果があります。


即ち、


1. 自然なストレッチが疲労した筋肉の牽引を行っています。


2. 筋肉の間にたまった老廃物を排出させ、疲労を回復させます。


3. 筋肉の疲労による硬直を防いで、筋肉の柔軟さを取り戻します。

 


この結果、筋肉以外の下肢全体の疲労硬直を防いでくれています。

ここで下肢全体というのは大腿四頭筋のみならず正座位では大腿裏側の大腿二頭筋(ハムストリング)と腓腹筋が押し合う形で横方向のストレッチ効果もあるという意味です。


大腿四頭筋のうち大腿直筋は骨盤から始まっていますし、他の3つは大腿骨を起点としています。

 

骨盤・大腿骨という身体の軸を安定させ、必要な姿勢をキープして走ったりジャンプしたりという激しい動きを支える筋肉の疲労回復を早める意味は大きいです。

一方膝の故障が発生しやすいスポーツでは練習の合間に正座はしていません。

足を投げ出したり、椅子に腰かけたり、体育座りをしています。

この姿勢では、ただ身体を休めているだけで疲れた身体の組織の疲労回復効果は上がっていません。

底には成長期の姿勢・身体の歪みが!

本人は何も聞いていないけど、ご両親が練習を見ていて、或いは歩き方やプレイ中の動きが変だと思って聞いてみると「実は膝が痛い!」ということで来られるケースも少なくありません。


ご本人は痛みや故障が発覚するとメンバーから外されるのが嫌で我慢して、プレーを継続しているというケースです。

 

この点、指導者の先生方の正しい対処法についての知識を身に付けて頂きたいと切望するところです。


指導者の先生方の中にはオスグッドなんか我慢しているうちに直る!がんばれと!激をとばす根性物のドラマを地でいきような話も今なお聞きます。


残念ながらいったんは我慢しているうちに痛みを感じなくなっても、中学、高校、大学と進むどこかの時点で、再び半月板損傷とか靭帯断裂、或いは腰などの他部位を含む疾患を抱えて結局はリタイアという例も沢山あります。

 

根底にはお手入れなきオーバーユースや姿勢や歪み、捻じれなどいくつかの問題が混在していることが多いことを統計的に把握しています。


当院では「姿勢・身体の歪み」とオスグッドには深い関係があるとこれまでの経験則から断言します。

小学校高学年から中学・高校と急速に身体は成長します。

 

身体の歪みや捻じれは成長期には特に注意が必要です。

 

スポーツ障害といわれるものの多くは「成長期の姿勢・身体の歪み」に起因しています。

当院では早くから子供たちの姿勢の問題に注目し積極的に取り組み、関西地方中心に教職員研修、PTAでの講演会、クラブチームでの体験会等々精力的に取り組んできました。

 

膝の故障さえ直せばいいという問題ではありません。

 

健体康心という言葉を古くから使っています.. 我が子の健やかな成長を願うお父さん、お母さんが願うのは「体が健やかで、心が康らか」な我が子の姿だと思います。


今の膝の故障が災難ではなく、このことを通じ一生の健体康心につながる生活習慣の改善、身体の正しい手入れ法、正しい姿勢の定着化につなげて頂くことに力を入れています。

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